自分のイメージ通りに動けないあなたへ
ボクシングの練習をしている時に、なかなか自分のイメージ通りに動けない、なかなか強くてカッコいいパンチが打てない、スタミナがつかない、マスボクシングで直ぐにガス欠してしまう……そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そういった悩みを限りなく解決に近づけてくれるトレーニングが
【ロードワーク】です。
今回はボクシングに欠かせないロードワークの重要性と、実践的な導入方法について解説します!
※本コラムはBOXING CLUB岡田哲也トレーナー監修です。

岡田哲也(おかだ てつや)
高校入学と同時にボクシングを始める
アマチュア50戦
インターハイ&国体 愛知県代表
プロ12戦
ロードワークの目的を明確にする

大人になってからボクシングを始めると、時間・体力・回復力に限界があります。だからこそ「なんとなく走る」ではなく、「目的に応じたロードワーク」が大切です。
例えば:
目的が明確だと、走るモチベーションも維持しやすくなります。
週に何回・どのタイミングで走るべきか?
仕事や家庭の都合で「毎朝」は現実的でない方も多いので、以下のような導入パターンを推奨します。
初心者(体力づくり段階)
- 週2回(朝or夜)
- 20〜30分のジョギング+軽いダッシュ3本
- 筋肉痛や疲労を感じたら無理に継続しない
中級者(マスボクシングや大会を視野に)
- 週3回
- 有酸素ジョグ(30分)×1
- インターバル走(100m×6〜8本)×1
- 坂道ダッシュ(15〜30秒×5〜8本)×1
これらを練習前の朝または練習休みの日に行うのがおすすめです。
大人に適したロードワークの注意点
ケガ予防が最優先
- アスファルトではなく、公園の芝生やゴムチップのトラックを使う
- 環境がなければ、ソールのしっかりしたシューズで走る
- 準備運動・ダウンをしっかり行う
- シューズは「ランニング用(クッション性あり)」を選ぶ
回復力の低下を前提にする
- 無理せず1日おきで十分
- 疲労が取れないときはウォーキング+シャドーに切り替えてOK
継続のコツは「記録とルーティン化」
- 毎回の距離・時間・体調をメモ
- 決まった音楽やルートで習慣化
ロードワークで得られる主な効果

“ただ走るだけじゃない”ボクシングにおけるロードワークの意味
ボクシングという競技において、「ロードワーク(Road Work)」は決して軽視できない要素のひとつです。多くの人が「ボクサー=朝走っている」というイメージを持つように、実際に世界中のチャンピオンたちも日々のロードワークを欠かしません。
しかし、ロードワークは単なる“持久力強化”のためだけではありません。実はそこに秘められた多面的な効果こそが、ボクシングにおける真の価値なのです。
1. 心肺機能の向上 ― 12ラウンドを戦い抜く土台作り
ボクシングは3分×12ラウンドという過酷な持久戦。ラウンド後半でも手を止めず、パンチを出し続けるには「酸素を運ぶ力」と「疲労に耐える心肺」が必須です。
ボクシングクラブで行われるマスボクシング大会の場合は 1分30秒✖️2ラウンド
ロードワークを継続することで、心臓が強くなり、肺活量も増加。自然とスタミナの底上げが図れます。
「試合後半に差をつけるボクサー」には、ほぼ例外なくロードワークの習慣があると言ってもいいでしょう。
2. リズム感と足さばき ― ボクサー特有の走り方
一般的な長距離ランナーとは異なり、ボクサーのロードワークにはステップの軽さが求められます。
実際のロードワークでは、「ただのジョギング」ではなく、スキップやサイドステップ、ダッシュやシャドーを混ぜたりと、“動きの中でリズムやスピードの変化を養う”という要素が重要です。これがリング上でのフットワークやディフェンス能力の向上に直結します。
3. メンタルの鍛錬 ― 自分に打ち勝つ習慣作り
ロードワークは孤独な作業です。特に早朝、誰にも見られず、声をかけられることもなく、黙々と自分と向き合いながら走る。ここには、試合中の苦しさを乗り越えるための“自制心”や“粘り強さ”が自然と育まれる精神的効果があります。
「今日も走った」という積み重ねが、試合前の自信に変わる。それが“勝てる選手”になる大きな要素でもあるのです。
4. 減量・コンディショニングへの効果
ロードワークは脂肪燃焼効果が高く、特に有酸素運動として減量期には欠かせない存在です。体重管理だけでなく、汗をかくことで体調を整え、浮腫みの改善や代謝アップにもつながります。またマス大会へ向けてのコンディショニング作りにもおすすめです。
加えて、朝に行うことで1日をリズムよくスタートでき、生活習慣の安定にも好影響を与えます。
ロードワークを試合形式に近づける実践例

特に「マス大会」「スパー大会」など、1R=1分30秒×2〜3Rの試合に出る予定がある方は、以下のような工夫も有効です。
インターバル走
- 100mダッシュ → 休憩30秒 ×5〜8本
- 試合の心拍数の上がり下がりを再現できる
ビルドアップ走
- 10分間:5分ジョグ→3分中速→2分速め
- 徐々にペースを上げていくことで、試合後半の粘りを育てる
シャドーロード
- 走りながらシャドーを挟む(片手ずつジャブ、フットワーク含む)
- 3分×3R程度を目安に「頭も使う」持久力トレーニングに
実際の導入プラン(例)
曜日 | 内容 |
---|---|
月曜 | 夜練習のみ(ロードなし) |
火曜 | 朝:ジョグ30分+流し3本 |
水曜 | 夜ジムでミット or マス |
木曜 | 朝:インターバル100m×6 |
金曜 | オフ(完全休養) |
土曜 | 坂道ダッシュ15秒×6本 |
日曜 | 練習前に軽ジョグ15分+シャドーロード2R |
※ご自身の生活リズム・練習頻度に合わせて調整を。
【女性ボクサー向け】ロードワークの導入方法

■ 筋力・関節・体脂肪率の違い
女性は一般的に男性よりも筋力が少なく、関節も柔らかい傾向にあります。そのため、無理な距離やペースでの走り込みはケガのリスクを高めてしまうことがあります。
対策:
実践メニューの一例(週3回)
曜日 | メニュー | 内容 |
---|---|---|
月曜 | ジョギング+シャドーロード | 30分の軽いジョグ+フォームを意識したシャドーボクシング |
水曜 | インターバル走 | 1分ダッシュ+1分ジョグ × 5〜7本(試合形式を想定) |
土曜 | 坂道ダッシュ | 15〜20mの坂を全力で駆け上がり、ゆっくり戻る×6〜10本 |
【子供のロードワーク】導入の基本方針
項目 | 内容 |
---|---|
年齢の目安 | 小学3年生以降を目安(骨格形成の安定を考慮) |
目的 | 心肺機能強化・持久力向上・精神面の鍛錬 |
時間帯 | 朝ではなく夕方~夜の運動時間帯が理想(子どもの生活リズムに配慮) |
距離・時間 | はじめは1~2kmを10~15分程度から、徐々に無理なく伸ばす |
頻度 | 週2~3回程度(トレーニング全体とのバランスを考慮) |
注意点 | 成長期の関節・骨・靭帯への負担に注意し、痛みが出たら中止すること |
ステップ別導入方法
【STEP 1】「遊び感覚」で始める(小3~小4)
- 公園の周りをジョギング、家族と一緒に走るなど「運動習慣」を身につけさせる
- タイムや距離よりも「走ることに慣れる」ことを重視
- 終わったらアイスやジュースなどの「ご褒美」でモチベーション維持
- 例:「公園を2周走ったらストレッチして帰る」「友達と鬼ごっこ感覚で短距離ダッシュ」
【STEP 2】「フォームとペース」を意識(小5~小6)
- ランニングシューズを用意し、正しい姿勢・フォームを指導
- 5分間走など、時間管理の意識を取り入れる
- 心拍数が上がりすぎないようにペースを一定に(会話できるくらい)
- 例:「3分間を2セット走る」「坂道を30秒だけダッシュ→歩くを交互に」
【STEP 3】「実戦に向けた走り」に変える(中学生以降)
- 試合形式に合わせたインターバルランやシャドーロード(走りながらのシャドーボクシング)を導入
- スパーリングや実戦のペース配分を意識した心肺トレーニングへ移行
- 例:1分30秒全力+30秒休憩を2~3R、など
ポイント・アドバイス

- 「短い試合」ほど、1秒ごとの集中と爆発力が求められます
- ロードワークも“スタミナ”ではなく“瞬発スタミナ”に特化させましょう
- 走りながらパンチを打つ意識や、上半身の動きを意識するだけでも「リング感覚」が身につきます
まとめ:ロードワークは最強の下地
強いパンチを打ち、軽快なステップを踏み、試合を戦い抜くには、「今日も走った」という積み重ねが必要不可欠です。
ロードワークも“量より質”、ラウンド形式や自分の体調・レベルに合わせた走り方で差をつけましょう!
