こんにちは。BOXING CLUBトレーナーの高須賀です。
私は約7年間プロボクサーとして活動し、引退後は教育業界で英語講師として多くの学生やビジネスマンの英語学習者をサポートしてきました。
一見まったく違う「ボクシング」と「英語」ですが、指導をしていて強く感じる共通点があります。
それは、
「上達が早い人ほど、型を大切にしている」
ということです。
初心者ほど「早く実践がしたい」と思うものです。
ボクシングならマスボクシングやスパーリング。
英語ならオンライン英会話や実際の英会話。
もちろん実践は大切です。
しかし、英語学習においては、基礎となる文法や発音が身についていない状態で実践ばかり繰り返しても、思うようには上達しません。
ボクシングにおいても同様です。
今回は、ボクシングと英語に共通する「型」の重要性についてお話ししたいと思います。

高須賀 陽(たかすか あきら)
元英語講師・元プロボクサー(B級6回戦/14戦5勝8敗1分)
現役引退後に英語学習を開始し、かねてより興味があった海外での生活を開始、ニュージーランドのホテルの受付やラジオ局で勤務した。帰国後は、大学受験予備校での塾長やエリアマネージャー、ビジネスマン向け英語コーチングスクールでの英語講師など教育業界で5年間の経験を積む。
英語資格はTOEIC( L&R公開テスト) 930点、英検1級、IELTS (Academic )7.0を取得。
前職の英語コーチングスクール勤務時代には、勤務後に会員としてBOXING CLUB梅田に通いながらトレーニングを継続。その後転職し現在は教育業界とプロボクサー時代の経験を活かし、BOXING CLUBのトレーナーとして指導を行っている。
ボクシングと英語学習の両方を経験してきた立場から、「継続」と「成長」をテーマに情報を発信中。
最初に身につけるべきなのは型(フォーム)

ボクシングを始めたばかりの方は、
「早く強く打ちたい」
「早くマスボクシングをしたい」
と思うでしょう。
しかし、最初に身につけるべきなのは強いパンチではなく、正しいフォームです。
・ジャブの打ち方
・拳の向き
・肩や腰の使い方
・足のスタンス
・重心移動
こうした基本ができて初めて、威力やスピードのあるパンチが打てるようになります。
英語も同じです。
英会話を始めると、
「ネイティブとたくさん話したい」
「難しい表現を使いたい」
と思う方が多くいます。
しかし、どれだけ難しいフレーズを知っていても、
文法や発音が間違っていれば相手には伝わりません。
つまり、
どちらも最初に身につけるべきは「型」なのです。
「型」を身につけないとどうなるか?
例えば右ストレート。
腕の力だけで打とうとすると、
・腕が伸び切らない
・身体のバランスが崩れる
・スタンスが乱れる
・力が逃げる
結果として、相手には当たりません。

逆にフォームが正しければ、体全体の力が拳に伝わり、少ない力でも鋭いパンチになります。
英語の発音にもよく似た例があります。
例えば 「straight」という単語の発音を例に出します。
日本語では「ストレート」と発音しますが、英語では母音や最後の「t」が脱落したり、喉の奥に舌を引っ込める「R」の発音が入り、「スチュゥレイッ(streɪt)」のような音になります。
もしカタカナのまま「ストレート」と発音すると、ネイティブにとっては聞き取りにくく、伝わらないこともあります。
これは、フォームが崩れた右ストレートと同じです。

英語は正しい口や舌の位置で発音しなければ、相手に伝わりにくくなります。
これはボクシングにおいて、腕が伸び切らず、腰も回っていないパンチでは相手に届かないことと同じ原理なのです。
実践の合間に基礎のトレーニングに戻ることが大切
「実践をたくさんすれば上達する」
と思いがちです。
しかし、やはり基礎のトレーニングを入れることがとても大切です。
ボクシングなら、
マスボクシングやスパーリングばかりしていても、フォームが崩れていれば悪い癖を繰り返すだけになります。
例えば右ストレートのフォームが流れている状態で何百回も打ち続けると、打ち終わりのディフェンスにも影響します。
右ストレートが流れると、身体の軸がぶれ、バランスが崩れる。
すると相手のパンチを被弾してしまう。
このように悪いフォームは次の動作にも影響してしまいます。

英語も全く同じです。
オンライン英会話だけを毎日続けても、
型が間違ったままでは、間違った発音や文法が癖になってしまいます。
オンライン英会話では、英語が話せない日本人に慣れた優しい講師も多く、意図をくみ取ってくれるため、伝わったと感じやすい面があります。

しかし、それで伝わったと思ってしまうと、実際の会社での英語ミーティングやプレゼンなどで、英語で自分の意図を伝えるのは難しいでしょう。
オンライン英会話では、実践だけでなく、終わった後に基礎の発音や文法などを復習するのが望ましいでしょう。
私は基礎の大切さを知っていたからこそ、英語講師時代、毎週受講生との面談で発音や文法の基礎を細かく修正していました。
だからこそ上達できた受講生がたくさんいました。
ボクシングも英語も、実践だけではなく、基礎へ戻る時間が必要なのです。
ボクシングでは、
スパーリングやマスボクシングの後は、必ずシャドーボクシングで型(フォーム)を振り返りましょう。
「基礎➝実践➝基礎」
の繰り返しが大切です。
また、しっかりとしたフォームでパンチが打てるようになると、ボクシング観戦でも
「あの選手は綺麗なフォームでしっかり腰が回っているな」
など新たな視点で見られるようになり面白味が増すでしょう。

基礎を繰り返す人ほど強くなる

有名な言葉があります。
I fear not the man who has practiced 10,000 kicks once, but I fear the man who has practiced one kick 10,000 times.
「私は1万種類の蹴りを一度ずつ練習した人ではなく、1種類の蹴りを1万回練習した人を恐れる。」
この言葉は、武道家として知られるブルース・リーの言葉として広く知られています。
まさに型や基礎の重要性を表しています。
基本を何度も反復することで、身体は無意識に動くようになります。
英会話も同じです。何百回、何千回と音読を繰り返したフレーズは、会話の中でも無意識に口から出るようになります。
反復によって「考えて動く」状態から、「自然にできる」状態へ変わっていくのです。
私自身、現役時代はシャドーボクシングをとても大切にしていました。
派手な練習ではありません。
しかし、試合で良い動きをするためには、シャドーボクシングで正しいフォームを無意識レベルまで身体に覚え込ませることが欠かせませんでした。
世界チャンピオンの井上尚弥選手も、基本練習やシャドーボクシングを非常に大切にしていることで知られています。
世界トップレベルの選手ですら、基本を疎かにしません。
だからこそ、あれだけ完成度の高いボクシングができるのだと思います。
ブルースリーの言葉を参考に、
「サンドバッグでこのラウンドは右ストレートだけを練習する」
など一つのパンチに集中して絞って練習するのもオススメです。

トレーナーに見てもらうことにも大きな価値がある

自分の動きは、自分では意外と分からないものです。
鏡を見ながら練習しても、
「ちゃんとできている」
と思っていても、実際には癖がついていることがよくあります。
だからこそ、トレーナーの存在が重要になります。
客観的にフォームを見てもらうことで、
・ジャブの軌道
・重心移動
・ガードの位置
・スタンス
など、自分では気付けない改善点が見えてきます。
英語講師時代も同じでした。
毎週の面談で発音や学習方法をチェックし、その場で修正していました。
受講生一人では気付けない癖を修正できるからこそ、効率よく上達できたのです。
また、トレーナーの存在は技術面だけではありません。
「今日は行くのが少し面倒だな」
そんな日でも、
と思えることがあります。
誰かが伴走してくれる環境は、モチベーションの維持にもつながります。
これはボクシングだけでなく、英語コーチングでも強く感じてきたことです。
まとめ
ボクシングも英語も、一見すると全く違う世界です。
しかし、上達の本質はよく似ています。
・最初に身につけるべきは「型」
・力任せではなく、正しいフォームを大切にする
・実践練習の合間に基礎練習を入れる
・無意識で動けるくらいに基本を何度も反復することで、本物の実力になる
・トレーナーやコーチに見てもらい、正しい方向へ修正してもらう
私自身、プロボクサーとして競技生活を送り、その後は英語講師として多くの学習者を指導してきました。
だからこそ、自信を持って言えることがあります。
上達を決めるのは、才能ではなく「正しい型を、正しく繰り返すこと」です。
派手な練習や近道を探すよりも、まずはシャドーボクシングでフォームを磨く。
英語なら基礎文法や発音を丁寧に練習する。
その積み重ねが、数か月後、数年後には大きな差となって現れます。
遠回りに見える基礎こそが、実は一番の近道なのです。





